枠も殻も破り続けよう。

料理人界でよく言われることに、

「やってきたことしかできない」

というのがあります。


まったくのオリジナルは無理で、

自分にある引き出しからしか生み出せないと。


この命題が正しいか間違っているかは置いといて、

心意気としては「そんなことない」と思います。


どんどん生み出していけるはず。

中華だろうとピザだろうと創作していく自信はあります。

(ま、それがヒットするかどうかは別の問題です。)


過去に働いていた店のやり方とか、

昔からの定説とか、

そういうのを乗り越えて成長していくのが楽しいのです。


湯煎低温調理のローストビーフはもしかしたら「シャバい」のかな?

適切な水分量の抜け具合があるのかもしれない。

ドリップは絶対悪ではないかもしれない。


香りづけのフランベはどこまで効果があるのか?

いいお酒を仕上げに直接1,2滴たらすだけで十分かもしれない。


ケーキレシピの材料の順序で何が変わるのか?

粉ふるいするとしないの有意差はどこまであるのか?

実際に作って食べたら違いはないのかもしれない。


中国四千年の歴史では~とか、

クラシカルな手法では~とか、

そういうものは大切だけど大事じゃない。


調理技術も器具も冷蔵設備も運送システムも、

昔とは比べ物にならないレベルになりました。

外部環境によって受けていた制約がたくさん。


でも時代を経て制約が消えると、

伝統は羽を伸ばせる。

毎日進化してるし、

今度はそこに科学の知見が入ってくる。


だから本質的な部分にしっかり目を向けて、

芯を守りながら破っていく。


そうして結局は、

目の前のお客さんを喜ばせて満足させられるか、

お店なら事業として継続していけるのか、

それだけのシビアな現場です。


いろんな工夫を試して、新しい世界を見よう。

ふとそんなことを思う営業後。

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